DNase・RNaseの除去
- DNase・RNaseの不活性化や除去は材質によっていくつかの方法があります。プラスチック製品の材質によって適切な方法を選択してください。
A. 加熱
- 最低8時間、180℃で加熱します※1。
B. すすぎ
- クロロホルムで洗浄します※1。
C. 洗浄+加熱
- 0.1%のジエチルピロカーボネート(DEPC)※2に37℃で2時間浸します。
- 滅菌水(DEPC処理)※3で数回すすぎます。
- DEPC除去のため、100℃で15分間加熱、または121℃で15分間オートクレーブにかけます。
D. 洗浄
- 洗剤で洗浄し、水でよくすすぎます。
- 95%のエタノールですすぎます。
- しばらくおいた後、3%の過酸化水素水(H2O2)に室温で10分間浸します。
- DEPC処理水※1※3で完全にすすぎます。
E. 洗浄
- 0.1N水酸化ナトリウム10.1% EDTA水溶液に一晩浸します。
- DEPC処理水で完全にすすぎます※4。
材質コード | 材質名称 | 【A.加熱】 | 【B.すすぎ】 | 【C.洗浄+加熱】 | 【D.洗浄】 | 【E.洗浄】 | 備考 |
HDPE | 高密度ポリエチレン | ○* | ○ | ○ | ○ | 100℃20分間加熱 | |
LDPE | 低密度ポリエチレン | ○* | ○ | ○ | ○ | 70℃120分間加熱 | |
PC | ポリカーボネート | ○** | ○** | ||||
PP | ポリプロピレン | ○* | ○ | ○ | ○ | ||
PTFE | ポリテトラフルオロエチレン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
PMP(TPX) | ポリメチルペンテン | ○* | ○ | ○ | ○ | ||
PETG | ポリエチレンテレフタレートグリコール | ○ | ○ | ○ | 一晩60℃で加熱 |
*:すすぎのみ。長時間の接触は不可。
**:劣化を最小限に抑えるため十分にすすぐ。
※1. Sambrook,J.;Fritsch,E.F.;Maniatis,T.;“Extraction and Purification of RNA”MoIecuIar CIoning:A Laboratory ManuaI, Second Edition; 7.3, CoId Spring Harbor Laboratory Press.(1989)
※2. DEPCは発癌物質となる可能性もありますので取り扱いにはご注意ください。DEPC溶液は眼・粘膜・皮膚を刺激します。
※3. DEPC処理水:水に0.1%のDEPCを加え、37℃で12時間放置後、100℃で15分間加熱するか、121℃で15分間オ-トクレ-ブにかけます。
※4. Titus,David E.;NucIeic Acid Detection, Purification and LabeIing; Rapid IsoIation of TotaI RNA; PROMEGA ProtocoIs and AppIications Guide,Second Edition; pp. 125-126,203; Promega Corporation(1991)